60*30*36をインペ11匹で立ち上げる(ウオジラミにおかされて)
ある日気づいた。こんなに平和な水槽なのに、インペにウオジラミが付いていることに。90*45*45水槽を立ち上げた1年がたとうとしている。立ち上げ当初はいろいととトラブルがあったが、今はもうなんの不安もない水槽に仕上がっている。が、この間買ってそのまま入れたインペの背中にじんわりと動く白い点を発見したときは、目の前が真っ暗になった。やむなく水槽のリセットを行うことにした。11匹のインペに関してはウオジラミをチェック&除去し20リットルバケツに避難。90水槽はまるごとトロピカル-Nで薬浴をした。インペは避難先の20リットルばけつに15リットルの水を入れ、トロN&塩水飼育にきりかえる。がここからが試練のはじまりだった。たった15リットルの水でインペ11匹が飼えるわけがない!!バケツの水をとり、亜硝酸検査液を7滴入れるのだが、1滴たらすと透明な液体に赤い色が広がる。7滴入れて数秒もたたないうちに、液体はいちごシロップに変色する。毎日こんな状態じゃあ仕事をしていても気が気じゃない。システムがスポンジフィルターとヒーターのみなので当たり前といえばそれまでだが、薬を使っている以上濾過バクテリアはまったく期待できない。とにかくこのままバケツでは長期飼育はまず不可能だ。インペをもっと広い水槽に逃がさなくては…。どうする???どうするもこうするもないのは分かっていた。このままではオウジラミを退治できても、インペも全滅するだろう。と言うことで急きょ新規水槽を立ち上げる事を決断した。しかしバクテリアの繁殖していない水槽にインペ11匹を入れたらどうなるのだろうか?未知なる疑問が自分を襲った。私が大事に飼育しているこの11匹のインペ達が、新規水槽のパイロットフィッシュになろうとは…。私の中の知識としては、60*36*30の水槽でパイロットフィッシュは小魚5匹ぐらいが妥当であろうと思っている。それが水を汚すと有名なプレコを11匹放り込むと、いったい水槽の中では何がどのようになるのか?ちょっと想像がつかない。インペを別々の水槽に分けるといった事も考えたが、ウオジラミ治療のあとなので、もしもの事をかんがえたらそれはまだやれないと判断した。濾過だ、とにかく濾過させなければ…。バクテリアが繁殖するにはどの位かかるのだろう…1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月…。
機材は近所のB-BOXとかねだいで買いそろえた。あまり予算が無いため、メーカーにこだわるよりも、安いが攻撃力の高そうなものを買いそろえた。水槽は60*36*30オールガラス水槽、セール中で信じられない値段で手に入れた。濾過は底面濾過、投げ込み式のモーターで回すモノだ。エアーポンプで回すモノならば、1000円しないで買える。熱帯魚屋でもよく見かけるこのシステムは値段の割に濾過能力が高いと定評だ。ただ今回エアーポンプは別に使う用事があったので、モーターヘッド付きのを購入。低床に関しては私はソイルを好んでつかっているのだが、今回は砂利を使用することにした。砂より粗い直径1mm位の黒色系のものをえらんだ。その他細かなものを購入し帰宅。水槽セッティングは家族が寝静まった深夜から始まった。砂利を洗い水槽をセット、今日買った底面濾過と家にあるパワーボックス55、投げ込み式のフィルターとニューフラワーをセット。水槽からコードやホースがいっぱいでていて観賞するにはとてもみぐるしい。ついでに活性炭をネットにいれ水槽に放り込んだのでとてもきゅーくつな感じだ。しかしバクテリアのいない水槽なので濾過ができあがるまではしょうがない事。水をリビングの水槽から半分いただいた。あとは水道水をカルキ抜きしていっぱいにした。市販バクテリアのバイコムをドボドボと入れる。濾過を稼働させるとけっこうな水流がうまれた。まあ、インペはわりと流れが強いところに住んでいると聞いたことがあるのでよしとした。水あわせしたインペ11匹を水槽に入れたとき、やっと今日の一日の仕事が終わった…っという気分になった。が…ここからが試練の始まりだった。
1日目
一日たって亜硝酸を検査した。TETRAの試験薬だ。透明な水は薬を加えるとオレンジ色に変化した。すでに亜硝酸がでまくっている。半分の水換え。
2日目
昨日よりきつい色のオレンジに変色。2/3のかん水。さすがプレコ!ものすごい勢いで水をよごす。しかし自分の想像以上に亜硝酸がでている。パイロットフィッシュにインペ11匹は無謀だと痛切に感じたが、この子達を逃がすところがない。もう少しがんばってみよう。
3日目
昨日2/3かん水したのにもう検査薬が真っ赤!こりゃあ完全にヤバイ!またもや水を入れ替える。バイコムをドボドボといれた。水換えでバクテリアも捨てているのでものすごく効率が悪い…。
4日目
昨晩水換えを行ったが、気になって朝から検査。なんと前回の水換えから6時間あまりで、もう検査液は真っ赤。出勤前に水換えを行った。遅刻の理由がそれだなんて知れたら、おこられそ〜。
5日目
やはり検査薬は真っ赤。バイコムも使い果たした。あんなに高いのに…。とにかく水換えをするしかない。
6日目
いい加減くたびれてきた…ってのが本心だが、インペの生命を維持する為にはやるしかない。しかしホントにこんなにかん水していて濾過ができあがるのか?という疑問が頭をよぎる
7日目
新たにバイコムを購入。しかしここで私の知識は間違っていることに気づく。亜硝酸問題だが、アンモニアはいったいどうなっているのか?バイコムによってアンモニアが亜硝酸に変わるので、一時的に亜硝酸濃度が上がるのはしょうがないことなのだ。よってアンモニア検査薬も購入。検査の結果、アンモニア濃度は問題なしってことでした。1/2のかん水。
8日目
たちあげて一週間、いきなり1匹のインペが落ちた。やはりこれだけの亜硝酸が出ていれば中毒を起こすのも当たり前だ。2日前から水槽に全面にへばり付いていたので、少し予感はしていた。これを始まりにばたばたと死んでいったらどうしよう…。あい変わらず、亜硝酸の濃度は真っ赤のままだ…。1/2のかん水を行う。
9日目
気のせいか検査薬が赤になるまでに時間がかかるようになった気がする。でも赤い!もしかすると…期待が膨らむ。水換えを行わないと決める。
10日目
相変わらす検査液は赤い…。1/2のかん水を行う。
11日目
確かに検査薬に変化がみられる。この検査液は亜硝酸が検出されないと黄色を示す。それが緑に変わり、オレンジ→高濃度になると赤くなる。検査液は赤いが光の加減で緑に見える部分がある。表現が難しいがここは踏ん張りどころだ。水換えを行わないと決める。
12日目
検査薬に明らかに変化がみられた。オレンジ色だ。濾過が回りだした。が1/2のかん水。
13日目
検査液はオレンジだ。でも前回より薄い。濾過しているんだ!水換えは行わない。
14日目
濾過が効いている。検査液も緑にちかくなった。ほっと肩の荷がおりたような気持ちになった。
15日目
完全に濾過している。が、ここでまたインペが1匹おちた…。ウオジラミが付着していたインペだ。模様が独特なのですぐに解った。死んだのはウオジラミのせいではない。やはり相当な負担がこの水槽にはかかっているのだ。今後にも今回の影響で死んでいくものがでてくるのだろうか…。
その後
結局、死んだのは2匹でおさまった。この2匹はほんとうにかわいそうな事をしてしまった。ウオジラミは繁殖力がすごいが、プレコに付いても、すぐには死にいたらない。なにもしていなかったらまだまだ生きていられただろうに…。しかも1匹はウオジラミすらついていなかった。2匹を犠牲にしたが、今では90cm水槽も60cm水槽も調子を取り戻している。ウオジラミの影はない。